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いちとはぎの新婚生活


by clemenskrauss
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イカ

皆さんはイカの数え方をご存知だろうか。そう、杯である。一説にはイカの胴の部分が器の形に似ていることに由来しているということなのだが、つい先日月曜日に我々は我々が通常一杯二杯と数えるところのイカの新たなる単位を発見したのである!ババーン!


という訳でイカです。
帰宅途中に赤羽の某スーパーの鮮魚売り場を散策することが日課になりつつある今日この頃。この日はホウボウなんてちょっと珍しい魚が出ていたので、刺身と汁物にでもしようかなと思いながらふと横を見てみると、鮮魚売り場におよそ似つかわしくないような白いビニール袋に包まれた何者かが6、7袋鎮座ましましているではありませんか。

横に並んだおばちゃんも興味を示したらしく、店のお兄さんにあれこれ聞いているのでちょっと耳をそばだててみると、その袋の中身はイカであり、売り物にならないエンペラや肝、ゲソの部分の詰め合わせであることがわかった。さらにそのお兄さんが言うには、一袋なんと200円ポッキリで良いよ、とのこと。エンペラだって胴の部分と比べて特に味が落ちるわけでもないし、ゲソだって炒め物なんかに重宝する。肝だってやりようによっては良いツマミになるし、それが一袋丸々入って200円とはなんてお買い得なのだろう!


しかし、それにしてもわりと大きな袋である。スーパーのレジ袋一杯のイカを買って一体どうすると言うのか。しかも胴なしのエンペラと肝とゲソの集合体である。大体我が家にそれほどのイカ需要はあるのか。そもそも世間は土曜の丑であるというのに、なぜに鰻でなくイカなのか。
尽きぬ疑問が頭を駆け巡っている最中、横を見ると件のおばちゃんが重そうにイカの詰まった袋をぶら下げてレジに向かう姿が見えた。おばちゃんも買っているんだし、失敗しても200円だし痛くないよネ!と自分に言い聞かせながら、左手にホウボウ右手にイカをぶら下げて帰宅の途についたのです。

家に着いて台所にずっしりと重いイカ袋を置き、程よい疲労感と充実感とを感じながら、とりあえずホウボウを三枚に下ろして刺身にし、アラを出汁に大根の味噌汁を作る。(これが実にうンまい)

さて、そろそろイカを調理しようかと包丁で固く結んだ結び目を切り開き、イカのご尊顔を拝謁して32秒くらいその場で固まりましたよ。イカイカイカ。台所の流しに広がるイカの海。見渡す限りのイカ。いやー、イカって着痩せするタイプなんですかね?袋自体はそんなに特別大きなものではないと思ったのに(確かにかなり重かったけど)、中身がこれほどのイカで充満しているとは。

流しがイカのエンペラと肝とゲソで満ちている状況をとりあえず何とかしようと、とりあえずエンペラを洗って平皿の上に並べ(このあたりに当時のワタシのかなりの動揺振りが見て取れる)、以前どこかで見た肝のかに味噌風を作ってみる。美味い。これで5杯分の肝を消化したのだが、当然これくらいでは流しのイカは減った風も無い。
それならば塩辛を作るかと、ゲソから肝を切り離し網の上に乗せて塩をして下準備を始める。7杯分の肝の下準備をしたあたりで改めて流しのイカを眺めてみるが、それでも彼らは減ったような気がしない。汲めども尽きせぬイカの泉。


もう、このあたりで完全に降参です。安いからと調子に乗った私が悪うございました。


この頃帰宅したハギに協力してもらい、すっかり流しライフをエンジョイしていらっしゃるイカの方々に丁重にラップの上に移動して頂き、全て冷凍庫行きに。もう、しばらくイカを食べたくない気分だったので、塩辛用に下ごしらえをしていた肝もラップに包んで冷凍庫へ。
平皿の上の無数のエンペラも5枚一組で冷凍庫へ入れる事にしたのですが、二人で数えながらラップに包んでみると、あるわあるわ実に総勢36エンペラ。ラストのエンペラをハギに手渡す瞬間には、バックに坂本龍一教授による壮大なBGMが流れているような錯角さえ憶えたり。


この長文をご覧の皆さまも、イカの買い過ぎにはくれぐれもお気をつけください。
あと、イカの素敵なレシピもこっそり教えていただけると、夫婦ともども大変喜びます。

イチ


我が家では

「36エンペラ=イチ」

と新しい単位が誕生しました。

ハギ
by clemenskrauss | 2007-08-01 23:56 | 料理