いちとはぎの新婚生活


by clemenskrauss
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f0022130_04259.jpg徳川慶喜家にようこそ
著:德川慶朝
文春文庫

德川幕府第15代将軍德川慶喜公の曾孫、德川慶朝さんのエッセイ。

大河ドラマの『篤姫』でもそろそろ露出が高くなってきている徳川慶喜。権現様の再来と呼ばれたと思えば、江戸幕府を潰した張本人と言われてみたり、はたまた旧幕臣から「貴人、情けを知らず」と恨まれたと思えば、泥沼の内戦を避けて日本国を植民地化から救ったと言われてみたり。日本史の中でもこれほど毀誉褒貶の相半ばする人物は珍しいのではないでしょうか。
『篤姫』の中ではあまり良い取り上げられ方をされそうにありませんが、慶喜が将軍に祭り上げられた経緯や、短い在位期間で将軍としてなそうとしたこと、大政奉還後の暮らしなどに興味があったのでこの本を手にした次第。

で、読了してみての感想。この本には「わが家に伝わる愛すべき『最後の将軍』の横顔」という大層な副題が付いていますが、この副題に釣られてこの本を手にしようと思った方は読まないほうが吉。ご自身がカメラマンと言うこともあり、慶喜の後半生の趣味の一つであった写真を世に出した功績は大変大きな方ですが、ご自身が文中に打ち明けられている通りもともと歴史に興味が薄いこともあってか、慶喜についての内容は大変薄い。
更に慶朝氏の好みのタイプやらお勧めデートコースやらを延々と読まされるのには正直閉口させられるし、空想の中の彼女(氏は文中で再三全くもてない事を強調しておられる)と鎌倉をデートした後彼女にシャワーを勧めて家に誘い、彼女が風呂に入るとすぐさま着ていたものを洗濯機に入れてしまい、「ぼくも汗かいちゃったもので」と、何食わぬ顔でお風呂にお邪魔する・・・なんてくだりを読んだ時には、あまりの気色の悪さに鳥肌が立ちました・・・。

ただし、明治・大正・昭和と時代が下るに連れて慶喜の子孫達の辿った(失礼ながら)没落の道は大変興味深い。貴族院議員・華族世襲財産審議会議長を務めながらも39歳の若さで急死した息子の慶久、父の後を継いで公爵となりながらも宮勤めの一介のサラリーマンとなり、二等兵(!)として出征して中国各地を転戦し、戦後なんとか帰国するも膨大な財産税が払えずに家屋敷を手放さざるを得なくなった孫の慶光。
今も殿様のような旧華族がいる一方、一時は武士の長たる将軍職まで上り詰めた徳川慶喜の子孫達の辿った道を思うと、なんだか複雑な心地がします。

イチ
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by clemenskrauss | 2008-06-17 23:38 | 積読日誌