いちとはぎの新婚生活


by clemenskrauss
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f0022130_641316.jpg福沢諭吉66歳の時に出版された自伝。口述筆記による速記文に諭吉先生自身が全面加筆を施したもので、言文一致の文体がとても読みやすく、目の前で福沢翁が昔語りをしているような錯覚さえ覚えます。

内容はと言うとこれがめっぽう面白い。だいたい、慶應義塾の創始者であることや「天は人の上に人を作らず」なんて言葉は知っていても、実際にどんな事をした人かなんて詳しく知らなかったのですが、幼少期から大酒を呑んだり、仲間と悪さをしてまわった書生時代のエピソードから、2度の洋行や維新前後のあくまで中立的な立場を守った時の状況など、実に詳細かつ赤裸々に述べられています。またその文体が鷹揚でとてもユーモアに富んでいて、彼の人柄を偲ばせるものとなっています。

どうも一般に「天は人の上に人を作らず」という言葉が独り歩きしているような気がしますが、これは人類皆兄弟、キリスト教的な神の前に人は皆平等であるという意味では全くなくて、あくまで「機会の平等」なんですよね。人には生まれもっての優劣は無い、がしかしその後の生き方如何では優もあり劣もある。だからこその「学問のスヽメ」なわけで、これを頭に入れて読み進めると彼の考えや行動をより理解しやすいかと思います。

幕末から明治維新前後の状況についての、旧幕府側にも新政府側にも組せず一歩下がった立場からの冷静な証言として読んでもとても面白いです。オススメ。
それにしても、「お金にはこだわらない」と何度も口にした諭吉先生が、平成の世に最高額紙幣の代名詞となっているのを知ったらどう思うでしょうかねぇ。

イチ
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by clemenskrauss | 2008-04-24 06:23 | 積読日誌