いちとはぎの新婚生活


by clemenskrauss
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ローマ帝国とアルミニウスとの戦いに始まり、1990年のドイツ統一とその後まで2000年の歴史を綴った、ドイツ史の流れを知る入門書に最適な一冊。面白くてあっという間に読んでしまいました。

以前から領邦なんて言葉も知っていたし、学生時代も歴史の授業は好きだったのだけれど、なんとなくドイツの地には昔からドイツという国が存在していたような幻想を持ってしまいがち(自分だけ?)
古のフランク王国を経て、神聖ローマ帝国という緩やかな連合国家の中で、共食いもせず自らの権益を守りながら数多の弱小領邦国家が存続し続けた訳ですが、19世紀初めに彼らの寄る辺となっていた神聖ローマ帝国そのものが、ヨーロッパ全体を揺るがしたナポレオンの嵐の吹き荒れる中解体してしまうんですね。弱小国家は弱小国家なりに生きていく術を探らなくてはならなくなり、ナポレオン後にウィーン体制下で新たに発足したドイツ連邦の中から、力をつけ出したプロイセンを中心とした統一国家を建設し、イギリスやフランスと比べて遅れに遅れた近代化への道を歩み出そうという動きが現れます。
この動きの立役者となったのがプロイセンの鉄血宰相ビスマルクで、このあたりの事情を少しなりとも理解しないと、何故ブラームスがあれほどビスマルクに対して熱烈な賛美者でありつつけたのか想像することも難しくなってしまいます。

その後の第一次世界大戦の敗北、ワイマール共和国を経てナチスの台頭、第二次世界大戦と分断された戦後、そして1991年のドイツ統一まで、各局面局面自体はある程度知っているつもりでも、こうして通史に触れると因果の糸が時代を超えて通じていることがよく解りますね。

イチ
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by clemenskrauss | 2007-07-20 23:58 | 積読日誌
f0022130_012423.jpg 昨年くらいに読んだ本だけれど、ここしばらく寝込んでいる間に改めて読み直しました。

イタリア・ヴェスヴィオ火山の栄えた地方都市、ポンペイ。紀元79年8月24日の朝方から起こったヴェスヴィオ火山の大噴火によって、一夜にして火山灰と噴石によって地中に没したこの街の、建物の壁に刻まれた落書き(や広告・ポスターの類)を分類しさまざまな角度から分析し紹介してくれる一冊。

発掘されたポンペイの壁に刻まれた文字には色々な性格のものが存在している。例えば、選挙においてとある候補者への投票を呼びかけるもの。
「C=クスピウス=パンサを造営委員として金細工師一同は推薦する」などと、当時既に同業者による組合組織が存在し、それぞれ後援する候補者への投票を呼びかけているというのが面白い。こうした選挙ポスターが、2000年近く時を経た今なお残っているものだけで1000以上発見されているという。

もちろん遺された落書きはお堅いモノばかりではなくて、誰かへの罵りの言葉だったり、片思いの相手だったりするわけで、古代ローマの市井の人々の生の声が、彼ら自身の筆跡がわかる状態で残されているというのは、ちょっと言葉では言い表せないくらいロマンを感じるし興奮させられる。

中には情熱的な愛の言葉だったり、世の中を斜めに見ているようなひねくれた格言めいた言葉だったり(ちょっとカルミナ・ブラーナを思い起こす)、ホラティウスやホメロスなどの詩の一節を引用したものやもじったもの、果ては人気剣闘士の星取表だったりと、内容も多岐に渡っており、当時の市民生活の多様さと同時に識字率の高さをうかがわせる。

新書なので仕方がないのだけど、惜しむらくは実際の落書きの筆跡を実際に見られる写真例が少ないこと。今度もっと深く突っ込んだ本を手にしてみたい。

一昨年の11月に新婚旅行の途中ポンペイにも立ち寄ったのだけど、残念ながらそのときは壁の落書きには気がつかなかった。(保存のため観光客が気軽に立ち寄るところにはないのかもしれないけれど)もう一度訪れることがあれば、じっくり自由に歩き回りたいなぁ。

ある程度じっくり読んでも半日で読むことのできるお手軽なものなので、古代ローマに興味のある方は是非。

イチ
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by clemenskrauss | 2007-06-29 00:02 | 積読日誌